楽天

知っておきたい助成金・給付金

2011年3月10日木曜日

WD Media Day 2011 気になる日立GST買収について

WD Media Day 2011に参加して一番気になったのは直前に発表となった日立GSTのHDD事業買収の件です。
さすがに金森苧(かなもりあさお)社長はよくわかっていて挨拶の初めの方にその話題をいれてくださいました。

まず日経の記事は間違っている。
これは昨年すでにWDブロガーミーティングで知っていた内容です。

HDD業界は吸収合併で成長した企業がほとんどです。
唯一、WD(ウェスタンデジタル)社だけが独立系で制御チップから始まり独力で最大手にまで成長したHDD専業メーカーです。
日経の吸収合併により云々は業界一般論であり記事としては残念なものに感じました。
日経のIT系記者は優秀で知識と経験の豊富な方が多いですからもしかすると経済系の一般記者さんが書いてしまったのかもしれません。

HDD業界では売上ベースでWD社が一位。日立GSTが3位で1位と3位の合併ですから圧倒的ですね。
それ以上の詳細は時間の都合からお聞きできませんでしたが、WDは民生用HDDという利益のでない分野でトップになり利益を出し続けています。
経済関係の記事を見ると、WDはBtoBに弱いので日立で補完するといった記述も目立つのですが知っている限りは間違いです。
外付けHDD分野では採用数が圧倒的ですし、ビデオレーコーダーでも一番うるさいメーカーに採用されています。

私見ですがWDの弱点は良いものにこだわりすぎてコスト高、商品単価が高い。
業務用ではコスト勝負の面が否めません。
実際には採用例のように、販売後にHDDが故障すれば大赤字に転落するほど被害が大きいので多少のコスト差よりも耐久性などが重要なのですが経験が浅いメーカーや経営が傾きかけている会社ではさきのことより今の瞬間の利益に走ってしまいます。
日立GST買収により生産ロットを増やせることで部品単価が下がります。
結果的に生産コストが下がり価格競争力がつくことに魅力があるでしょう。

また、日立GSTはIBMと日立というモノづくりでは定評ある会社の開発陣がそろっています。
1台で3TBとという馬鹿げた容量にまで発展したHDDですがムーアーの法則よろしく、HDDも容量を増やし続けないと売れなくなる宿命を背負っています。
これから先に進むにはヘッドを筆頭にブレークスルーが必要でしょう。
そのとき最先端を走っていたIBMの基礎研究や日立のモノづくりのテクニックは威力を発揮するでしょう。
モノづくりという観点での企業文化も近そうなので良い組み合わせになりそうです。

合併は今年9月の予定で粛々と進んでいるようです。

70数社あったHDDメーカーが現時点で5社
秋には4社体制になります。

シーゲートはバラクーダーという高速回転、高速転送を売りにしたHDDで名を馳せていた会社ですがここ数年はそうしたモデルが登場しません。
WDと日立GST合併により、再び各社の強みを生かした商品への特化が起きるのではないかと期待を込めて予想しています。


WDの会社方針は、HDDというパーツから外付けHDDへ、そしてNASへ。
ことしは単なるNASからメディアプレーヤーとしてHDDへと躍進を計画されているそうです。

0 件のコメント:

コメントを投稿